NPO法人 九十九里ライフセービングクラブ[99LSC]|心配蘇生法の手順 九十九里ライフセービングクラブ・イメージ背景画像

Contact

ライフセーバーが教える楽しい海での遊び方 心肺蘇生法の手順(ガイドライン2005・成人)

心肺蘇生法の手順

「心肺蘇生法」とは突然、心肺停止やそれに近くなった際に救命の為に実施されます。
心肺停止状態になってしまった際に、どれだけ早く処置ができるかが蘇生の可能性を大きく変えます。
フランスの学者カーラーは心臓停止の場合は3分、呼吸停止の場合は10分で死亡率は約50%を超えてしまうとしています。
心肺停止状態になった際に重要なことは早い119番通報早い心肺蘇生早い除細動2次救命処置の4つが連続性をもって必要とされています。
しかし、総務省消防庁によると2009年中の救急隊の現場到着時間は平均7.7分かかるとしており、救急車が到着するまでの間に現場でどれだけの処置ができるかに蘇生の可能性が変わってしまいます。
あなたは家族、彼氏・彼女、友人、先輩、後輩など大切な人が倒れたとき、何をしてあげられますか?
ここでは不測の事態に備えて心肺蘇生法(ガイドライン2005)の手順を説明していきます。

≪ 心肺蘇生法(ガイドライン2005・8歳以上の成人)の手順 ≫
倒れている人を発見
周囲の観察 処置を実施する側が手当をしている最中に他の事故などに巻き込まれないように、周囲の状態が安全であるかを確認します。
例えば、夜間に車道の真ん中で心肺蘇生法を実施し続けることは危ないですよね。
まずはけが人や急病人(以下「傷病者」という。)を安全な場所に移動させる必要があります。
全身の観察 大出血などをしている心臓を動かしても出血が進み、命に関わります。
この様な際には止血を優先して実施します。
意識の確認 傷病者の肩をたたきながら耳元で「大丈夫ですか?」と声をかける。
意識があるかないかを確認する。
※意識が有る場合 → 心停止になっていることはないが、意識が正常でない場合は救急車を要請しましょう。
【反応がない・意識がない】
119番通報とAEDの手配
近くにいる人などに協力を求めましょう。
協力してくれる人に119番通報やAED(自動体外式除細動器)を持ってきてもらうように頼んでください。
AEDは公共施設や一部の自動販売機などに設置されていることがある。
もし協力してくれる人がいない場合は自分で119番通報することを優先してください。
気道確保・呼吸の確認 傷病者を仰向けに寝かせる。その際、傷病者に意識がない場合には下が喉の奥に落ち込んで気道を塞いでしまうこと(下図の赤い丸で囲まれている場所)を防ぐために気道は確保してやる必要がある。
気道の確保としては下図や上部動画のように頭部後屈(頭を後ろの方に曲げてやる)と顎先挙上(あごの先を上に上げてやる)とよい。
呼吸の確認は目・耳・肌にて傷病者の胸が動いているか、傷病者の息使いはあるか、呼気が肌で感じられるかどうかを確認する。
※呼吸がある場合 → 回復体位
気道の確保
【呼吸なし】
人工呼吸を2回(省略可)
気道確保したまま、額側の手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、口対口にて傷病者に息を吹き込みます。
この際、息を約1秒かけて傷病者の胸が持ち上がるのが見て分かる程度吹き込みます。
そして一旦、口を離し再度同じ要領でもう1回吹き込みます。
(尚、上部動画では人工呼吸の際に使用しているフィルムの様なものは簡易型の感染防護具である)
胸骨圧迫[30回]

人工呼吸[2回]
AEDが到着するか救急隊が到着、
傷病者が動き始める、
もしくは続行できなくなるまで繰り返す
【胸骨圧迫】
傷病者の両側の乳頭を結ぶ線の胸骨上(胸の真ん中)に片手の手の付け根(下図にて手の平の赤い部分)を置き、他方の手をその手の上に重ねます。
肘を真っ直ぐに伸ばし、手の付け根の部分に体重をかけ、傷病者の胸が4~5cm程度沈み込むように圧迫します。
圧迫を緩める際には胸がしっかりと戻るまで十分に圧迫を解除する。
これを1分間に約100回のペースにて絶え間なく30回繰り返す。

【人工呼吸】
上記した内容と同じになるが気道確保したまま、額側の手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、口対口にて傷病者に息を吹き込みます。
この際、息を約1秒かけて傷病者の胸が持ち上がるのが見て分かる程度吹き込みます。
そして一旦、口を離し再度同じ要領でもう1回吹き込みます。

※万一、人工呼吸が出来ないような場合、胸骨圧迫だけでもした方がよい。
手掌基部の解説
AEDの到着 AEDが到着したらすぐにAEDを使用します。
AEDは機種により多少外観や電源の入れ方(スイッチを押すタイプや本体のふたを開けると自動的に電源が入るタイプなど)は異なりますが、どの機種も同じ手順で使えるように設計されています。
電源が入ると音声メッセージとランプで実施するべきことを指示してくれるので、それに従ってください。
流れとしては電極パッドを病者の右前胸部(右鎖骨の下で胸骨の右)と左側胸部(脇の下5~8cm下、乳頭の左斜め下)に張ります。
貼り付ける位置は電極パッドに絵で表示されています。
心電図の解析 機種により心電図の解析を始める為に解析ボタンを押すタイプのものや、音声メッセージの後自動的に心電図を解析し始めるタイプとあります。
こと時は自分も含め誰も傷病者に触れてはいけません。
「みんな、離れてください!」と注意を促しましょう。
【電気ショックが必要な場合】
※電気ショックが必要でない場合には次へ進む
電気ショックを加える必要がある際には「ショックが必要です!」と音声メッセージが流れ、AEDは電気ショックを加える為に自動的に充電を開始します。
充電完了を待ち、電気ショックボタンを押します。
この時、誰も傷病者に触れないように注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認した後ショックボタンを押します。
電気ショックが完了しても電極パッドは外さないでください。
胸骨圧迫[30回]

人工呼吸[2回]
を5サイクル(2分間)繰り返す。
5サイクル(2分間)経過するとAEDは自動的に心電図の解析を再び行います。
その時は音声メッセージに従い傷病者から手を離し、周囲の人にも離れてもらいましょう。
以後は2つ上の心電図の解析に戻り、再度5サイクル実施後に心電図の解析に戻ることを繰り返します。

救急隊が到着するか傷病者が動き始める、もしくは続行できなくなった場合は中止します。